家庭で使う電化製品はアイロンやコーヒーメーカーのような小型のものから、白物家電と言われる冷蔵庫や洗濯機のような大型のものまで、さまざまな種類があります。故障が心配な精密機器だと取り扱いをどうすべきか迷ってしまいますよね。引っ越しの荷造りは、どこまで梱包したら良いのでしょうか。
ダンボールに入らない大きな家電は業者におまかせ
結論としては、プラン内容や引っ越し業者の考えによって、どこまで梱包が必要になるかが異なってきます。まずは、訪問見積もりで家財を見てもらったときに、梱包しなくて良いものを聞いておきましょう。
実際に目の前で見ているわけですから、「これは取り外して梱包するのが危険でしょうから、当日スタッフが作業しますのでそのままで大丈夫ですよ」「これはエアパッキンなどの緩衝材でグルグル巻にしてダンボールに動かないように詰めてください」などと的確な回答が得られます。
そのときの対応や回答の内容が、のちのちの業者選定の決め手になることもありますので、訪問見積もりの時間は有効に使ってください。
テレビの配線はあとで接続しやすいように一工夫
薄型で大型画面の液晶テレビやプラズマテレビや最新式の4Kテレビは、扱い方に十分に気をつける必要がある家電の一つです。画面の一部をぶつけただけで、広い範囲がモザイク状になり視聴に支障をきたしてしまいます。
ポータブルの7インチや9インチなどの小型のテレビでなければ、たいていは引っ越し業者が丁寧に梱包してくれます。プチプチの気泡緩衝材などで画面を覆い、引っ越し業者の用意する厚手のカバーやプラスチックダンボールで画面に傷がつかないように補強し、慎重に運んでくれるでしょう。
しかし、ゲーム機、DVDやブルーレイディスクレコーダー、衛星放送のアンテナやチューナー、などテレビ端子にAVケーブルがたくさん接続されているときは、あらかじめ作業がしやすいように、取り外しておかなければならないことがほとんどです。
あとから自分で接続できるように、外す前に各々の接続先が分かるようにラベルなどを貼っておくと良いでしょう。もし、接続や配線が複雑過ぎて自分の手におえないと思ったら、引っ越し業者のオプションのAV機器接続プランの利用を検討しましょう。
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洗濯機はしっかり水切りをすること
洗濯機は最新式のドラム洗濯機や電子式の多機能な洗濯機は、設置がわずかでも傾いていると故障の原因になることがあります。取り外しも取り付けも引っ越し業者がやってくれることが多かったですが、最近は、複雑なものが多くなっていることから、有料サービスに切り替えたり、電気工事業者にエアコンの設置と合わせて一括して任せている業者もあります。
梱包や運搬はもちろん引っ越し業者が行ってくれますが、その前に自分でやらなければならないことがあります。洗濯機の取扱説明書を手元に用意して、移動の際の水抜き方法の説明ページに目を通して、正しい方法で水抜き処理を行ってください。
水道の蛇口からつながっている給水ホース、洗剤・柔軟剤ケース、糸くずフィルター、洗濯槽、排水ホースの順番で上から順番に水を抜く方法が記載されています。きちんと水を切っておかないと、運搬や移動時のトラックの揺れなどで、内部にたまった水が少しずつ流れ出してきてトラックの荷台で他の荷物を濡らしてしまうことになります。
取扱説明書は、濡れないようにファスナー付きビニール袋などに入れて、洗濯機の前面やフタに養生テープで留めておくと、設置の際に業者が確認できるので安心です。
冷蔵庫も水漏れしないように取扱説明書をチェック
洗濯機と同様、冷蔵庫も同じように水抜きをする必要があります。年式の古いタイプと最新式の新しい冷蔵庫では取り扱い方法も異なるためここで説明できませんが、引っ越し業者によっては、昔からの慣例に従い、前日の夜に電源を抜くことをすすめられる場合があります。
当然水抜き方法もメーカーや機種や年式により異なるため、必ず手元に取扱説明書を用意して、先にひと通り目を通してから作業を進めましょう。移動後はどの程度時間が経ってから電源を入れたら良いかも記載してあります。これも中に入れるなどして冷蔵庫と一緒にしておくと良いでしょう。
電源を切る前には庫内の食品を計画的に消費し、残った調味料や開封をしていない食品は、近距離ならクーラーボックスに保冷剤を入れて運搬する方法もあります。冷凍食品が多いなら、無理やり処分しなくてもクール宅急便などを使うこともできます。
冷蔵庫下部に蒸発皿があれば移動前に引き出して、水を捨てて拭き取っておきましょう。余力があれば、冷蔵庫が空っぽになったときに庫内清掃をしてエタノールなどで除菌をしておくと、変なニオイがこもらず新居で気持ちよく使えますよ。
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パソコンやプリンターはどうしたら良いの?
ノートパソコンなら、専用のバッグがあれば自分で運ぶのが安心です。しかし、車移動でないと、手荷物が多くなってしまい、子連れで公共交通機関を移動するときは大変かもしれません。
デスクトップパソコンやプリンターは、ダンボールに入る大きさでも自分で梱包するのは躊躇してしまいますよね。購入した時のダンボールと中に入っていた緩衝材がそのまま残っていれば良いですが、そうでないときは、引っ越し業者にお願いしましょう。
ハードディスクやSSDのデータは、万一を考え外部機器の外付けハードディスクか記録メディアにバックアップをとっておきましょう。今では無料のクラウドサービスもありますね。個人情報につながるような重要なデータでなければ、利用してみましょう。
石油ファンヒーターは取扱に注意
石油ファンヒーターは購入時の箱がなければ、ヘタにダンボールを加工して組み立てて無理やり中に入れる必要はありません。両側に持ち手が付いているのでそのままで大丈夫です。ただし、運ぶ前に灯油タンクに残った灯油を空っぽにしておかなければなりません。
引っ越し業者にはガソリンや灯油などの危険物は運んでもらえないからです。使い切るか、ポリタンクに戻し、灯油は自分の車で運びましょう。運べない場合は、ガソリンスタンドで処分できるか尋ねましょう。
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電子ピアノやキーボードもそのままで
鍵盤数の多い卓上キーボードや、重量のある電子ピアノも引っ越し業者にまかせましょう。小型のキーボードならロール状のプチプチで巻き、ガムテープで留めておいてもよいでしょう。分解ができるタイプでもそのまま運ぶ場合もありますので、特に、自分でやることはありません。
自分で荷造りする小物家電の梱包の注意点は
ジューサーミキサーや炊飯器など、ダンボールに入る大きさの小型家電は自分で荷造りすることになります。業者からもらった梱包資材やタオル、必要があれば自分で効果的な資材を調達するなどして、壊れないように丁寧に梱包しましょう。
電子レンジなどの調理家電はどう梱包すべきか
電子レンジは庫内の外れるものは外し、エアパッキンで包んでおきます。本体は引っ越し業者にまかせましょう。ひと回り小型のオーブントースターは、扉のガラス面にエアパッキンを当ててテープで留めてから、全体をさらに巻いてダンボールに動かないように固定させて、ダンボールに大きく赤字でワレモノと書いておきましょう。
先端が尖っているアイロンは、ケースがなければタオルなどを先端部分に特に厚めに巻いておくと安心です。
割れ物は厳重に、外からわかるように
ジューサーミキサーのガラス部分や刃の部分も厳重に包んでおきましょう。IH電磁調理器は割れ物として梱包しましょう。
電気鍋のガラス製のフタも厚手のエアパッキンや二重に巻いたりして、中で重たいもの同士がぶつかり合わないように、間に緩衝材などを挟んで、ダンボールを持ち上げたときにガサガサと中身が動かないようにしっかりと固定しましょう。あまり詰め込みすぎて重くならないように気をつけてください。
迷ったものは業者に問い合わせを
シャンデリアはどうするの、ホームシアターのスピーカーは、マッサージチェアは、などわからないものに関しては、引っ越し業者に問い合わせましょう。自分で扱い方がわからないものは、たいていは引っ越し業者が当日に作業してくれます。
梱包方法がわからないものも、口頭で説明してくれたり、引っ越し業者のホームページで梱包の説明が記載されているURLなどを教えてくれたりするでしょう。また、インターネット上に画像つきで梱包のしかたの解説や、YouTubeなどの動画サイトで手順が見られるものもありますので、必要に応じて検索してみてください。
まとめ
梱包が難しいものはその場で引っ越し業者のスタッフが手早く梱包してくれることが多いです。自分の判断でヘタに荷造りしてしまうと、かえって持ちづらかったり壊れやすくなったりすることがあり、場合によっては補償が受けられなくなることも考えられます。
しかし、節約コースなどの引っ越し料金を極力抑えたプランでは業者によりサービス内容に差があるため、どこまでの梱包が必要か、前もって確認しておくと安心ですね。