ガラス製人形ケースの引っ越し注意点

ガラス製人形ケースの引っ越し注意点

日本人形やフランス人形、雛人形や兜などの子どもの節句の飾り物、最近ではフィギュアやプラモデルもガラスケースに入れることも多いですね。

ガラスケースはコワレモノである上に、梱包がしづらく持ち運びにも細心の注意が必要です。そんな扱いの難しいものを引っ越しではどう取り扱ったらいいのでしょうか。

ガラス製人形ケースを梱包するときの注意点について紹介します。

人形とケースに分けて梱包する

人形ケースを外から緩衝材で覆ってダンボール箱に入れるだけではいけません。なぜなら、箱を持ち上げて移動するときに、中のものが動いたらガラスの破損につながるからです。そのようなことを防ぐために、ガラスケースと中のものは分けて別々に梱包することが理想です。

中の人形が布製で軽く柔らかいなら中に入れたまま緩衝材で隙間を埋めて運ぶこともできますが、兜のような重く尖った部分があるものは、出して別々に梱包するべきです。

また、フィギュアやプラモデル、模型のような繊細で組み立てに時間を要するようなものも、ケースから出し丁寧な梱包をして形を崩さないように運びます。

人形の梱包のしかた

まず、日本人形やフランス人形などの梱包の仕方を説明します。人形の顔部分を白いキッチンペーパーやティッシュで覆います。何ヵ所かでヒダを取り、折り込みながらセロハンテープやマスキングテープでそっと留めます。

この時、髪の毛に癖がつかないように気をつけましょう。絶対に新聞紙やチラシなどで覆わないようにしましょう。移動するときに擦れてインクが顔についたら「人形は顔が命」なのに台無しになってしまいます。

フリルのドレスを着たフランス人形なども、ドレスのボリュームを潰さないようにふんわりと軽く包むことを心がけましょう。

エアパッキンなどの緩衝材を利用するか、キッチンペーパーや業者で用意してもらった食器用の白い梱包資材など柔らかい素材の物でそっと包むようにしてください。その上からさらに包むときには、新聞紙でも大丈夫でしょう。

フィギュアなどの体に動きのあるものは体全体を一気に梱包しようとせず、ティッシュを細く裂いて包帯のように巻き付けていくのでもよいでしょう。ポーズを保ったまま細かい部分から先に保護していきます。

テープをはがす際に無理な力がかからないように、粘着力の弱いマスキングテープやセロハンテープで軽く留める程度で十分です。ウルトラマンや怪獣など、子どもが手で持って遊ぶ前提のソフビ人形なら、形がしっかりしていて壊れにくいのでここまでやる必要はありません。

ただ、おもちゃではなく、コレクションとしてガラスケースに入れて飾っているのなら、お互いがこすれて塗装などが禿げないように一体ずつ包んでください。どのようにして包んだら良いか皆目見当がつかないようなほど難しいものなら、有料で業者に梱包を任せた方が安心です。

ガラスケースの梱包のしかた

人形を入れるガラスケースは、背面が透明のガラスではなく、色がついている異素材のものや、すべての面が透明なもの、木枠にガラスが1枚ずつはめ込まれているだけのモノや動かないように固定されているものなど、作りも大きさも様々です。

ガラスが固定されているガラスケースなら、そのままの状態で梱包することになります。
その際は、外側をクッション性のある素材で覆うだけでなく、中にもクッション素材を詰めてください。

できればエアパッキンのプチプチの大きいタイプがお勧めです。中のガラスに当たる面にエアパッキンを沿わせて、中の空洞をバスタオルなどの柔らかい物で隙間を埋めるようにします。UFOキャッチャーで取ったような小さく軽いぬいぐるみを詰めても大丈夫です。

そして外側もエアパッキンでガラス面をぐるりと囲みます。さらにクッション性を持たせたければ二重にしても構いません。

そしてガラスケースよりも一回り大きなダンボールの中に入れます。隙間をクッション性のある緩衝材か、新聞紙をくしゃくしゃにして空気を含ませるように丸めたもので埋めていきます。

適当な大きさのダンボール箱が見つからなければ、大きめのものカッターなどで折りたい部分に筋をつけ、ふた部分を切り開きダンボールを変形させることもできます。

上にものを積み重ねるなどダンボールとしての強度は期待できませんが、あくまでもガラスの保護ということではこれで十分です。むしろ形を変えたことにより他のダンボールとの区別がつき、持つ前に慎重に扱うものであることがわかりやすくなるので、かえって良いかもしれません。

それでも箱には大きく、これでもかというほど「ガラスケース」であることを強調して記入しておきましょう。そして、作業スタッフに「中にこのような梱包をして保護してあるので、くれぐれもよろしく」と伝えておきましょう。

ガラスが固定されていないケースの場合は、持ち上げた時にガラスが動いたり外れそうになったりしてヒヤッとすることがあります。そのようなケースはビクビクしながらその形のまま運ぶよりも、いっそ枠からガラスを抜いてしまいましょう。

ガラスを1枚1枚エアパッキンで包んでダンボールを板状にガラスの大きさにあわせて切ったものをはさみ、まとめて上から包みます。

ワレモノやガラスケースは遠くからでも目立つように!

作業スタッフは、運び出す時やトラックに積むときにダンボール箱を手渡しする際に「本です」「割れ物です。重いです」と声を掛け合いながら運びます。

その時もガラスケースと言ってもらえれば、慎重にゆっくり運んでくれるはずです。荷台の一番下に置いて、その上に他の荷物を積んでしまうようなミスは無くせるでしょう。

遠くから見てもはっきりとわかるように、取扱注意の赤いシールを貼ってもいいかもしれませんね。大きく派手にアピールすることによって、自分がとても大事にしているものであることが分かってもらえます。

自信がなければ梱包を業者に任せる

人形のガラスケースは一部の業者を除き、宅急便でも取り扱ってもらえないことがほとんどです。それは、お客さんがどのように荷造りをしたかがダンボールを開けないと確認できないからです。

梱包の不十分なものは当然破損する危険性が高くなります。そういうトラブル発生の責任を負えないことから、荷物の引き取りを拒否されることがほとんどです。

実は引っ越し業者でも同じような扱いになってしまうため、自分の梱包が不十分で壊れてしまった時などは引越運送保険の補償対象外になってしまいます。

大切にしているものは、自分で納得のいく梱包が難しければ有料でも業者にお願いして梱包してもらった方が良いでしょう。仮に破損事故が起こっても、引っ越し業者の運送保険で補償が受けられます。

また、通常の引っ越し保険の補償額では不満な場合には、別途保険をかけることができますので、必要があれば業者に相談してください。

いずれにしろ、荷物の搬入が終わったらなるべく早く荷解きをして中身の無事を確認するようにしましょう。もし、ガラスが割れていたり、ヒビが入っていたり以前と違う状況になっていたときは、まずそのままの状態で写真を撮り、すぐ引っ越し業者に連絡をしてください。

まとめ

引越運送保険は提携する保険会社や引っ越しプランにより、補償の上限金額などの細部のルールが異なります。大切な家財を運んでもらうときには、安かろう悪かろうでは後悔します。

なるべく信用のおける引っ越し業者選びをしておけば、万が一のトラブルになった際の対応も安心できると思います。必ず複数社の見積もりを取り、見積もり金額だけではなく作業内容や補償内容をよく見極めた上で業者選びをすることが重要となるでしょう。

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