引っ越し開始時間に間に合うように早めに昼食をすませ、準備万端で待っているのに業者のトラックがなかなかやって来ない。こんな声が、午後以降の引っ越し予定の人たちからよく聞かれます。
何の連絡もないと本当に来てくれるのかと不安に思いますよね。今日中に引っ越しが終わらないのではないかとか、道中でなにかトラブルがあったのではなんて余計な心配をしてしまいます。
約束の時間が守られないなんてことがあるの?
引っ越しの見積もりをしてもらったときに、その場で引っ越し日と希望の時間を伝えて契約したはずなのに、その時間に来てもらえないなんてことがあるのでしょうか。
午前便なら時間通りに始まる
朝からの引っ越しはだいたい8時や、8時半、遅くても9時からの引っ越しになることが多いと思います。そのような朝一番からの引っ越しなら、開始予定時間前には引っ越し業者のトラックが到着するはずです。予定の時間までトラックで待機するか、依頼者の都合を聞いて前倒しに作業を始めるか、どちらかになることが多いでしょう。
朝一番の決められた時間からの引っ越しなら、作業スタッフは朝出社してそのまま開始時間に間に合うように営業所を出発するので、滅多なことでは遅れることはありません。
遅れるにしても事前に連絡があるはず
突発的な事故渋滞があった、カーナビの計器異常で道に迷ってしまった、など不測の事態があり予定の時刻に遅れそうなときは、必ず到着が遅れる旨の連絡はあってしかるべきです。
朝一番の引っ越しが予定時間より遅れているにも関わらず何の連絡もないときは、こちらから問い合わせましょう。もしかしたら見積もり書に記入した住所や電話番号などが間違っていて全く別の他のお宅に向かっているかもしれません。
プロの引っ越し業者ならそんなことはあるわけがないと思い、何時間もひたすら待つ人もいるようですが、朝一番の引っ越しなら、少しでも変だと思ったらすぐに問い合わせてみてください。特に繁忙期などは、普段なら起こり得ないようなミスが起きることもなきにしもあらずです。
予定時間に引っ越しが始まらないワケとは
朝一番の引っ越しで引っ越し開始時間に遅れることはまずあり得ないと説明しましたが、これが、午後からの引っ越しだと事情は異なってきます。午後からと言っても普通は「何時開始」と時間を限定することはしません。
業者と依頼者の認識の違いによるもの
午後からの引っ越しには、午後便やフリー便、または、宵積みの朝出しというような、二日がかりで行われる引っ越しなどがあります。その日の一番目の引っ越しとはならないため、2軒目の引っ越し開始時間は、1軒目の引っ越しの進行次第で大きく左右されます。
引っ越し業者が到着したのに荷造りが完了していなかった、新居の家具の配置を適当に考えていたため何度も場所を入れ替える羽目になった、新居の鍵を事前に受け取っていなかった、などさまざまな要因があります。
そのため引っ越し業者では、午後の開始時間を「何時から何時までの間にトラックが到着するであろう」という予測の時間で記入することが多いです。「何時開始」と断定せずに、多少の幅をもたせるのが一般的です。
しかし、見積もり時にきちんと説明をしたつもりでも、依頼者側が正しく理解をしていないケースもよくあります。午後便なのに午後になってもトラックが来ない、と慌ててしまう人がいますが、これは午後便という特性を認識していないからです。
時間が確約できないプランではないか
最も気をつけたいのは、フリー便やおまかせ便と呼ばれる、時間が不確定な引っ越しプランです。このプランは何時開始になるか当日になってみないとわからないという危険をはらんでいます。
そのため、午前便や午後便と比べると、格安の料金設定になっていることがほとんどです。業者によっては午前便の半額程度で引っ越せることもあるため、時間が自由になる人にとってはお得です。
引っ越し繁忙期となる3月や4月は混み合い、少量の荷物の引っ越しを一日に何軒もまとめて引き受けることがあります。また、急なキャンセルがあった場合でも、トラックが日中稼働しないことがないように、その間にフリー便の引っ越しを当て込むこともあります。
そのため、前の引っ越しの完了見込み時間が想定できてからでないと、何時に引っ越しが始まるかは直前まで分かりません。前日にキャンセルがあった場合などは、朝一番からの引っ越しとなることもあります。午前便と同等の引っ越しがフリー便で半額程度ですむならとてもラッキーなことです。
というわけで、フリー便に限っては、時間が遅いからと文句をいうのは筋違いです。自分のプランはどうだったかな、と思うなら、見積もり書を見返し、分からないことがあればすぐに業者に問い合わせて当日までに疑問を解消しておきましょう。
予定通りに引っ越しが終わらないとどうなるの?
作業開始時間の予定が大幅に遅れて深夜に掛かりそうなときや、不動産会社で新居の鍵が受け取れないなど、不都合なことが起きて当初の予定通りに引っ越しが進められない場合はどうなるのでしょうか。
別のチームが応援に駆けつける
まず、大幅に引っ越しが遅れてのっぴきならない事態を迎えたときは、たいていは他に早めに引っ越しを終えたチームが遅いチームの応援に向かい、合流して大勢で一気に引っ越しを終わらせます。そのおかげで所要時間は随分と短時間ですみ、結果的に満足したという人もいます。
契約書と事実が異なるときは
作業開始予定時間が13時から15時の間となっているにもかかわらず、実際にトラックが到着したのは18時を回った頃だった、というような話もあります。それから荷物を運び出し、トラックに積み込み、新居に着いて搬入までの全てが終わったのが深夜になり、深夜まで引っ越し作業の物音が響いていたのでは、近所の印象は最初から悪くなってしまいます。
このように、相談して決まった当初の契約内容からあまりに逸脱しているなら、値引きなどの解決策を交渉しても良いでしょう。
実害を被った場合はどうなるの
その日のうちに終わる予定が終わらずに翌日の早朝から作業を開始することになった、荷物が届かなかったため、宿泊施設に泊まることになった、などの当初の予定とは明らかに異なり何らかの費用がかかった場合も、引っ越し業者に領収証とともに請求しましょう。
誠実な対応の業者に依頼すれば安心
引っ越し業者が非を認め、謝罪してくれればまだ良いのですが、開き直ってトラブルに発展してしまうこともないとは言えません。トラブルがある前提で引っ越し業者を選定するのもどうかと思いますが、時間に遅れることの他にも、荷物の破損などの事故、紛失や盗難などが絶対に起こらないとも限りません。
こんなときは、誠実な引っ越し業者とそうでないところでは、対応に雲泥の差があります。そのことも加味した業者選びが必要といえます。
まとめ
朝一番の引っ越しなのに予定時間よりも遅れているなら、早めに連絡をした方が良いでしょう。2便目以降の午後便やフリー便は、必ずしも時間通りに引っ越しが始まるとは限りません。先客の都合で遅れることは往々にしてあるものです。
しかし、あまりに予定時間に遅れるようなら、電話連絡があってしかるべきです。自分からも、電話連絡を入れてほしい旨、伝えておくと良いでしょう。