遠くに引っ越しをすることが決まったら、はたして引っ越し料金がどれくらいになるのか見当もつかない、という人が多いのではないでしょうか。
それもそのはず。なぜなら引っ越し料金には定価がないため、引っ越し業者によっては料金差が2倍もあるというのも、まんざら大げさな話ではありません。そこで、少しでも引っ越し料金を節約する方法やプランを紹介します。
おすすめの業者は?価格差が出やすい長距離引っ越し
近距離で荷物の少ない引っ越しなら、いくら定価のない引っ越し料金とはいっても、最終的な各社の金額差は数千円程度でおさまることが多いです。しかし、長距離引っ越しで荷物が多く、数十万円かかるような場合の各業者間の金額差は5万円以上もの開きが出ることがあります。そのため、複数社の業者の相見積もりが欠かせません。
有名な引っ越し業者は料金が高いと思っていませんか?
全国的にテレビコマーシャルを流している誰もが知っているような大手の引っ越し業者は、引っ越し料金もそれなりに高いのではないか、と最初から敬遠してしまう人もいるようです。
エリア限定で営業している地域密着業者なら、近距離の引っ越しは確かに安く提供していることが多いですが、中長距離の引っ越しでも同じように安くできることにはなりません。長距離の引っ越しを引き受けたにしても、帰りは空のトラックで帰ることになり、トラック一台の売り上げもないまま、作業員を長時間拘束することになってしまいます。
そのため、あまり格安に引き受けてしまっては採算が合わないため、やむを得ず高めの見積もり額を提示されます。結局は、訪問見積もりをしたところで大手業者には勝ち目がないため、エリア限定ということで長距離の引っ越しを引き受けない地域密着業者もあります。
このようなことから、一般的に長距離引っ越しは大手業者の方が安いという現象が起こります。
長距離の移動は全国展開をする大手業者が有利
長距離の引っ越しは一日だけで終わらず、2日~3日がかりになることが多いです。引っ越し荷物の量にもよりますが、一般的な流れでは、他の短時間ですむ引っ越しを終えてから作業を開始することが多いです。
午後や夕方から荷物を運び出し、作業員は営業所に戻り、ドライバーだけが引っ越し先に向かいます。ドライバーは引っ越し先最寄りの営業所の仮眠施設や宿泊施設で一泊して翌朝に現地の作業員と同行し、引っ越し先に向かうというパターンが多いと思います。
作業に必要な作業員全員で移動することもないため、人件費や宿泊費が余分にかかることもなく、その分引っ越し料金も安上がりです。この点は全国に営業所を持つ大手業者ならではの強みです。
長距離が安くなる引っ越しプランとは
全国に拠点を持つ大手業者の強みはまだまだあります。大手業者だからこそできる、長距離引っ越しのお得なプランを紹介します。
混載便、割り勘便、あいのり便
トラックの保有台数が多く、一日に多くの引っ越しを受注している大手業者では、同じ方面への引っ越しが重なることがあります。他のお宅の引っ越しの荷物と合わせて大きなトラック一台に載せられれば、交通費やガソリン代を折半できるため安くなります。
何軒かまとめて運べるのなら、さらに安くなるでしょう。このように他の第三者の引っ越しの家財を一台のトラックに一緒に積むことを混載便や割り勘便、あいのり便などと呼んでいます。
ただし、混載便は同じ方面に行く引っ越しがタイミングよくあれば良いですが、そうでない場合、あとの引っ越しを待って出発しなければならないため、運送に数日かかることもあります。それだからこそ、安く引っ越せるわけですが、日程に余裕のない人には向いていません。
帰り便
トラックの荷台が空っぽのまま走ったのでは、その間の売り上げはゼロです。それどころか、高速道路代やガソリン代、ドライバーの人件費だってかかってしまいます。そのような赤字を出さないために、運送業はできるだけ、荷物を載せて移動したいと考えます。それを利用したのが帰り便です。
元の営業所まで戻らなければならないところに、引っ越し荷物を載せて戻れば利益になるので、多少引っ越し料金を安くしてでも赤字になるよりはマシです。引っ越し希望日に運良くそのような帰り便が見つかれば良いですが、なかなかそううまくはいかないでしょう。
また、家財が多い場合は引き受けてはもらえないかもしれません。日程に融通がきくなら、帰り便が使えるかどうか聞いてみましょう。業者のスケジュールに合わせることで長距離でも格安で引っ越しができるかもしれません。
トラック以外の輸送方法で安くなるの?
長距離の引っ越しの輸送方法はトラックだけとは限りません。国内でも航空便を使うこともありますし、離島なら船便しか使えないところもあります。また、JRの鉄道網を利用したJRコンテナを使い、貨物列車に載せて運ぶ方法もあります。それぞれの特徴を紹介します。
コンテナ便を扱う業者は?
JRの線路を、物置のような四角いコンテナをいくつも載せて走る貨物列車を見たことがありますか。あれがコンテナ便です。物流や引っ越しなど、大量の荷物を遠くまで運ぶために使われます。コンテナのサイズはさまざまありますが、一般的に使われるコンテナには四畳半一杯分程度の荷物が入ります。家財の量に合わせて、コンテナの数を増やします。
引っ越し業者は引っ越し元から荷物を搬出し業者のトラックに載せ、最寄りの貨物ターミナル駅まで運び、そこでJRコンテナにトラックの荷物を載せ替えます。その後目的地の最寄りの貨物ターミナル駅でコンテナを降ろします。
引っ越し先では、別の引っ越し業者か他営業所のトラックが貨物ターミナル駅まで荷物を引き取りに行き、トラックに積み込んでから引っ越し先まで運送し、新居に荷物を搬入します。距離やコンテナの到着時間により、3日程度の日数を要します。
アリさんマークの引越社、カルガモ引越センター、日通でJRコンテナ併用の引っ越しを扱っています。また、JRコンテナで貨物列車を運行している日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)に直接引っ越しを頼むこともできますが、搬出と搬入の引っ越し業者の指定をしないときは、JR貨物が提携している業者に一任することになります。
航空便は高くならない?
どうしても引っ越しを急ぎたい場合は、国内でも航空便の利用ができます。ただし、航空貨物は重量に応じて料金が決まるため、少ない荷物量なら長距離をトラックで運ぶよりも割安に感じられることもあるようですが、一般的な家族の引っ越しの全ての家財を運んだのでは高くついてしまいます。
空港から極端に離れている場合もかえって高くなってしまうこともあるため、時期や荷物量、空港までの距離などを見て納得した上で利用してください。また、一刻も早くと思ってはいても、荒天などで貨物飛行機が飛べなければ運ぶことはできません。予定より遅れたからといって減額になるわけではないことを理解して利用しましょう。
サカイ引越センター、SGムービング、ハトのマークの引越センターなどで航空便を取り扱っています。
離島へは船便を利用する
空港のない離島までの引っ越しは、港から船便で運んでもらうことになります。こちらも荒天では運航できないことがありますので、日程には余裕をもって申し込みましょう。ヤマトホームコンビニエンス、日通などが扱っていますが、一部エリア外の場合もあるため確認が必要です。
一括見積もりサイトでなるべく安くなる業者を選ぶ
長距離の引っ越しは、さまざまなプランや、さまざまな輸送方法がある以上、どこも同じ条件で見積もりを出してもらうには無理がありますし、一社ずつ問い合わせをしていたのではらちが明きません。
どんなプランがあり、どこまで安くなるのかを手っ取り早く調べるには、引っ越しの一括見積もりサイトが便利です。
長距離が得意な業者が名乗りを上げる
小規模から大手業者まで、全国の引っ越し業者が数多く加盟している一括見積もりサイトなら、引っ越し希望日と引っ越し元と引っ越し先の大まかな住所を入力し、その他の必要事項を入力するだけで、対応できる引っ越し業者が見つかります。
最初から価格競争後の最安値に近い料金提示をしてくるので、自分であちこち探して、一社ずつ価格交渉をする必要がありません。
長距離引っ越しのさまざまなプランの提案も
引っ越し希望日をずらすことにより混載便や帰り便を利用できるなど、業者によってはお得な格安プランの提案もあるかもしれません。また、なるべく安く引っ越したいなど追記することで、寿命が来そうな大型家電などは処分して現地で買い換えた方が得になるなど、自分では気づかなかった節約するコツを教えてくれることがあります。
交渉次第で数万円安くなることもある
家財がごく少量でない場合は、訪問見積もりをきっちりとしてもらいましょう。引っ越し料金が高額になりがちな長距離引っ越しでは、荷物の下見が欠かせません。複数社の見積もりを取ることで、なぜ各社間で料金差がでるのか、見積もり書をじっくりとながめて比較してみてください。
もし、不要と思われるサービスが含まれているときは、削ぎ落として安くならないか交渉してみましょう。本命の業者が最安値になるように、うまく話を持っていけるかにかかっています。最後のひと押しで5万円安くなった実例もありますので、がんばってみてください。
まとめ
地域密着の小規模業者では長距離引っ越しの料金が高くなりがちなことは否めません。時短のためにも、業者選定からは外しても良いと思います。準大手や大手業者から選ぶか、一括見積もりサイトの利用で、信頼の置けそうな業者に依頼すると良いと思います。
長距離の引っ越しの場合は、荷物を搬出した作業スタッフと、引っ越し先で搬入してくれる作業スタッフは異なります。一定水準の作業品質と豊富なオプションサービスや万一の際の手厚い補償を希望するなら、やはり有名な大手業者に軍配が上がりそうです。
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