テレビなどを捨てる際の注意点(家電リサイクル法)

テレビなどを捨てる際の注意点(家電リサイクル法)

昔はブラウン管時代の小型テレビが、ゴミ集積場に置かれているのをよく見ましたが、今はテレビやパソコンは、壊れて使えなくなってもゴミとして簡単に捨てることができない時代です。国で決められた家電リサイクル法やパソコンリサイクル法について説明します。

テレビやパソコンは粗大ゴミとして処分できない

家電リサイクル法やパソコンリサイクル法で処分の仕方が決められているのは新しい薄型液晶テレビやOSの新しいパソコンだけで、古いものは粗大ゴミや不燃ゴミで捨ててもいいんでしょ、と言っている人を見かけます。

しかし、それは誤った認識で、古いアナログのブラウン管式のテレビや今では使えなくなった古いOSのパソコンでも、家電リサイクル法やパソコンリサイクル法の対象機器に含まれています。引っ越しを機に処分する人は多いので、まずは、それぞれの法律がどんなものか、不要な家電をどう処分すべきか、ひととおり目を通しておいてください。

家電リサイクル法で処分の仕方が決められている

家電リサイクル法は、2001年に施行された法律です。施行当時は新聞やテレビのニュースやワイドショーなどを賑わせていましたが、実態はあまり知られていないのではないかと思います。電化製品を買い替えたときに電気店の店員の話を聞いて初めて知ったという人もいるようです。

簡単に言うと家電リサイクル法とは、一部の家電製品の中には壊れても使い回し可能な有用な資源が多く含まれているのに、ゴミとして捨てるのはもったいない、メーカーが引き取ってリサイクルすべき、と決めた法律です。処分するときはゴミとして各自治体で処分するのではなく、その製品を作ったメーカーに送らなければいけません。

でも、現在使っている家電製品が壊れて不要になったら、いちいちメーカーに送らなければいけないの?そんな面倒ならうかつに家電も買えやしない、ということではありませんから安心してください。

家電リサイクル法、パソコンリサイクル法とは

世の中にある家電全てが家電リサイクル法の対象ではなく、メーカーが回収する必要のある家電は決められています。対象機器は、家庭用のエアコン、ブラウン管テレビ、液晶テレビ、プラズマ式テレビ、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、電気洗濯機、衣類乾燥機に限定されています。

パソコンは厳密に言うと家電リサイクル法ではなく、パソコンリサイクル法の適用になります。事業で使われるパソコンについては2001年から、家庭用のパソコンは2003年から施行され、決められた法律に則した回収とリサイクルが行われています。対象機器は、ノートパソコン、デスクトップパソコン、パソコン用ディスプレイです。

捨てる際の申し込み手続方法と当日の流れは

処分の方法は、大きく分けると、購入したお店、買い替えの場合は新しく買うお店、近くの指定引取場所に持ち込む、リサイクル協力店やリサイクル推進協議会などに収集を依頼する、の4つの方法があります。

パソコンは、メーカーが回収しているため、それぞれのメーカーのホームページ上で手続きをすることになります。自作パソコンや、倒産や事業撤退したメーカーのパソコンは、一般社団法人パソコン3R推進協会が回収を行っています。

※参照サイト:一般社団法人 3R推進協会

処分・回収の申し込み

店や自治体、協会に問い合わせをし、引き取りを依頼します。自分で持ち運べる場合は、指定引取場所に直接持参してください。家電リサイクル券が渡されるので、必要事項を記入の上、リサイクル料金と運搬料金を支払い、品物を引き取ってもらいます。家電リサイクル券の控えの番号で、ネット上でリサイクルが正しく行われているかの状況を確認できます。

また、郵便局備え付けの家電リサイクル券を利用して、個人でリサイクル料金を納める方法もあります。この場合回収店には運搬料金だけを支払うことになります。店舗や協会により指定の方法が異なりますので、よく説明を聞いたり、ホームページで確認したりして、間違いのないように手続きしましょう。

回収当日の流れ

小売店の場合は、重くて移動できないものは自宅の設置場所まで来てくれます。自分で持ち運べるものは玄関先まで運びましょう。自治体経由で業者が回収してくれる場合は、その指示に従いましょう。

自分で引取場所に持ち込む場合は、受入可能日時を確認して、間に合うように運んでください。その場で家電リサイクル券に記入して、リサイクル料金と運搬料金を支払います。

パソコンの処分申し込みは

webや電話で回収を申し込みます。メーカーから宅配伝票が送付されるので、厚手のビニール袋などにパソコンを入れてから伝票を貼り付けます。メーカーで破壊して処分することになるため、緩衝材などの丁寧な梱包は不要です。

宅配会社や郵便局に集荷を依頼するか、直接窓口に持ち込みます。また、一部家電量販店などで回収が始まっているところがあります。持ち込む前にハードディスク内の重要データの消去などは確実に行ってください。

リサイクル料金は

2003年9月以降のPCリサイクルマークの付いたパソコンは無料で回収してもらえます。それ以外のものは3,000円程度の費用が必要です。パソコン以外の冷蔵庫やテレビなどは、メーカー独自で料金を設定しています。

メーカーでは品番や型番やサイズや容量などから調べることもできますが、各メーカーごとに探しづらいことがありますので、こちらのホームページが便利です。一例では、エアコン1,500円、冷凍冷蔵庫4,000円、洗濯機2,500円、テレビ3,000円程度です。メーカー独自に再商品化等料金を改定することがあるため、その都度最新の料金を調べてください。

※参照サイト:家電製品協会家電リサイクル券センター「再商品化等料金一覧」

まだ使えるものなら有効利用してもらおう

結局は、家電リサイクル法によれば、処分する際は必ずリサイクル料金と、自分で引取場所に持ち込めない場合は運搬料金の両方がかかってしまうことになります。

引っ越しする前に古い家電を処分して新居で購入しようと思っている人も、結婚するため今まで使っていた小型の家電を処分したい人も、使えるものならお金を払わずに処分できる方法を考えてみましょう。

知人でほしい人がいないか

新年度になって一人暮らしを始める予定の新社会人や新入生がいれば、ひと声かけてみると良いでしょう。無料で譲る、と言えばもらい手が現れるかもしれません。リサイクル料金と運搬料金の節約になり、お互いにとって得になります。

リサイクル業者に買い取ってもらおう

引き取り手が見つからない場合は、家電を扱うリサイクルショップに引き取ってもらいましょう。あまりに古いものだと査定額は安くなってしまいますが、それでもリサイクル料金と運搬料金を払って処分するよりは、ずっとマシなはずです。

中には、壊れたパソコンでもジャンク品扱いで買い取ってくれるところもあるようです。ただし、買取不可のものをまた持ち帰らなければいけないのでは、労力がかかり過ぎます。持ち込む前にある程度の下調べは必要でしょう。

自分で運べない場合は出張買取が便利

冷蔵庫や洗濯機などは一人暮らしの小型のものでも、いざ運ぼうと思うと車両の手配や人手が必要です。場合によっては、謝礼も必要になるかもしれません。そんな思いをした挙げ句、査定が付かなかったり、持ち帰るように言われたりしたのではガッカリです。

それなら、自宅まで査定に来てくれる出張買取を利用した方が労力がかかりません。ついでに、家電だけではなく、引っ越しの際にたくさん出てくる不用品など一括して買い取ってもらえば、ちょっとしたお小遣い稼ぎになるだけでなく、引っ越しの荷物も減って引っ越し料金も安くなり、一石二鳥ですよ。

フリマアプリやオークションの利用

利用したことがあり要領が分かっているなら、フリマアプリやオークションサイトを利用して出品してみても良いのではないでしょうか。しかし、システムが理解できなかったり、小まめに入札者とのメールのやり取りなどがスムーズにできない人は、かえって煩雑に感じるかもしれません。

また、品物を安く出しても、結局は冷蔵庫や洗濯機などは送料がかなりかかってしまうため、反応は悪いかもしれません。今後は引っ越すことになるので住所が知られても構わないというのであれば、近くの人に取りに来てもらうのも一つの方法です。

買い取ってもらう前に注意すべき点

先でも述べましたが、買取不可の場合は持ち帰らなければならないのか、店側で処分してもらえるのか、しっかりと確認しておきましょう。出張買取の場合は、出張料や査定料などの名目で費用がかかるのかなども聞いておきましょう。業者のホームページの会社概要などで、古物商許可のある正式なリサイクル業者かどうかを確認しておくと安心です。

まとめ

家電リサイクル法のことを知らず、粗大ゴミや不燃ゴミの回収日にゴミ集積所に置いておくと、不法投棄になってしまいます。近所の目撃者によってゴミを運んだ人物が特定されてしまうかもれません。

知らなかったこととは言え、あまり気分の良いものではありません。そうならないように、引っ越しをする場合でも、立つ鳥跡を濁さずで正しく手続きをして処分しましょう。まだまだ使えるため捨てるに忍びないものは、ぜひリサイクルして使ってもらいましょう。

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