引っ越しをする前には業者が家に来て荷物量を見てもらってから見積もり金額を出してもらうことになります。それを複数の業者にお願いするなんて相手に失礼なんじゃないかと気が引けてしまう人もいるようですが、果たして本当にそうなんでしょうか。
遠慮は無用!引っ越しの相見積もりは業者も承知
引っ越しには近距離の単身の荷物の少ない引っ越しでも数万円かかります。家族の世帯で荷物が多く長距離の引っ越しともなれば、数十万円はかかるでしょう。
そんな高額になる引っ越し料金を、ほんの少しでも安くしたいと思うのは当然です。引っ越し業者側も、相見積もりは承知のことで、むしろ相見積もりを取らずに一社だけで決めてしまう人は、今の時代少ないのではないでしょうか。
引っ越し業者に遠慮する必要は全然ありません!
効果的な相見積もりの取り方の極意とは
せっかく相見積もりを取るのですから、ただ漠然と何の手立てもなくお願いするのではなく、どうせやるなら効果的に相見積もりを取りましょう。
定価のない物は少しでも安くしなきゃ損!
物の販売と違い、引っ越しというのは定価がありません。同じ量の荷物を目的地まで運ぶのに、業者間ではものすごく料金差が開くことがあります。この場合は、相見積もりを一番初めに出してもらった時の金額を比較しています。誤解のないようにしてくださいね。これは初回の見積額です。
一社の引っ越し業者が出した見積額に対して初回も2回目もないだろうと思われるかもしれません。しかし実際は、最初に出した見積額から半額とはいかないまでも、こんなに下がっていいのかと驚くことが多いんです。
大手業者と地域密着業者の数社から
地域密着業者の小規模の業者の方が大手業者よりは引っ越し料金が安いだろう、と思う人が多いです。実際に近距離の引っ越しで余計なサービスは一切なしで、安く引っ越しが済む場合はあります。
しかし、長距離の引っ越しであれば全国に支店を持つ大手業者が安くなるということもあります。大手業者と地域密着業者ではどちらが安いかということはそれぞれのケースで違ってきますので、できれば大手業者と地域密着業者の両方から見積もりを取ることをおすすめしたいです。
一日か二日のうちに時間をずらして予約を
いくら相見積もりが引っ越し業者に対しての遠慮は無用とはいえ、一気に済ませようとして、同じ時間に全部の業者に一度に来てもらおうと思ってはいけません。それはいくらなんでも失礼になります。
前の人の見積もりに手間取ってしまったり、交通渋滞などで、訪問予定時間よりも遅れて到着することもあるので、せめて2時間から3時間程度の間隔を開けて予定を組みましょう。
次の業者の来訪までに空き時間があることで、今までの話を整理してまとめることができるため、次に来る業者の対策方法が思い浮かぶかもしれません。
営業マンがウリにするポイントはどこか
相見積もりを取るということは、単なる見積もり金額の比較だけではありません。業者それぞれの作業内容や、オプションサービス、社員がどんな引っ越しの実習研修を受けているか、なんてことまで教えてくれる業者もあります。他社をこき下ろすことに情熱を注ぐ業者もあります。
営業担当の態度や仕事ぶりを見れば、だいたいの会社の社風や社員教育なども窺い知ることができます。
そこで、見積もり担当の営業マンが自社のイチ押しするセールスポイントはどこかを見極めましょう。自信を持って頑張っているポイントがどこなのかによって、自分が希望するタイプの引っ越しができるかどうかを判断しやすくなります。
見積もりが出揃ってもそこで決めてはダメ!
ここも誤解が多い部分なのですが、相見積もりの全ての業者の金額が出揃った時点で、一番安い業者に決めて、最安値の業者に決めることができて良かった。これで相見積もりを取った意味があった、と手放しで喜ぶ人がいます。
ここから先の一手間をかけることにより、初回の見積額からさらに安くなるということを知らない人がまだまだ多いんですね。相見積もりを取る正しい理由は、ここから先が肝心なのです。具体的な方法は後述します。
まだダンボールも受け取らないこと
相見積もりを取る時に絶対に気をつけてほしいことがあります。それは、最終的に業者を決定するまでは、絶対に梱包資材用のダンボールなどを受け取らないようにすることです。
「ダンボールは無料なので、早くから荷造りを始められるように少し置いていきますね」と言われても絶対に受け取ってはいけません。
これは断りにくくするために無理矢理置いていく作戦です。その業者に決定せずに引き取りに来てほしいと言っても、自分で持ってくるように言われたり、返却不要とダンボール代として実費を請求されてしまったりします。国民生活センターでもそういったトラブルの事例が後をたちません。
落ち着いてよく整理してみよう
見積もりの営業マンに好印象を持っても、実際に引っ越し作業に従事するスタッフは別人がやってきます。
どうしてもここの業者にお願いしたいという業者が一社に絞り込まれていれば問題ありませんが、どこも「帯に短し襷に長し」というどっちつかずの状態なら、一旦気持ちをリセットしてみることをおすすめします。
その上で、それぞれの業者の良いところ、悪いところを、箇条書きに書き出してみましょう。
さらに安くなる!業者とのやりとりはココに注意
全ての業者が出揃った時点で、自分では好印象を持った業者が一社か二社見つかったことと思います。手ごたえのあった営業マンもいたことでしょう。ここからが勝負です。
見積額は置いておいて、良さそうな業者を絞る
いろいろな引っ越し業者の説明を聞いて、だいたい自分の理想とする引っ越しの形が見えてきたころで、その理想に近づけるためには、どの業者を選んだら良いかが重要です。
ほんの少し安い業者を選んだところで、それが作業の品質面や補償面、自分の納得のいく作業内容でなかった場合は、後悔してしまいます。費用面だけではなく、総合的に判断して選んだ方が何かと安心できますよ。
ここで手の内を明かして金額交渉
この時点では好印象を持った業者が最安値となっていないかもしれません。でも、内心では最安値の業者よりもそちらに気持ちが動いているようなら、その業者に連絡を取り、「そちらに決めたいが、家族が最安値の業者を指定してくる心配がある。
できればそちらにお願いしたいと思っているので、なんとかなりませんか」とお願いすれば、大抵は競合の業者の金額を聞き、それよりは下げてくれることが多いです。
そうこうしているうちに、自分の中では候補に上がっていなかった業者が連絡をしてきて、さらに見積額が下がることもあります。業者側も引っ越しの契約を取りたいので、相手の業者の出方をうかがい少しずつ金額を下げて様子を見てきます。
かと思えば、中には一気に大幅な値下げを提示してくる業者もあります。2回目の見積額が出揃った時点で再度比較してみましょう。結果的にはそんなに金額の差はなくなっていると思いますので、それだったら自分の気に入った業者にお願いした方が、後々の満足感が違います。
ここまでやってこそ、本当の意味での相見積もりが功を奏したと言えるでしょう。
まとめ
引っ越しをする上で相見積もりを取ることは悪いことではなく、そのことで業者に負い目を感じる必要は全くありません。不透明な価格相場を知る上でも、サービス内容を確認する上でも必要なことです。
我が家の大切な家財道具を任せるのだからこそ、満足のいく引っ越しをするためにも、ここは時間をかけて交渉をすべきです。ここまで読んで、とてもじゃないが自分1人では交渉する自信がない、という人は、頼りになる知人に同席してもらうことを強くおすすめしておきます。