お祝いを贈るのは遅れてから渡すのではなく、先に前もって渡すのがマナーという話も聞きますが、それは引っ越し祝いでも同じでしょうか。
まさか、お祝いを贈ったせいで引っ越しトラックに荷物が載らなくなった、なんてことはないと思いますが、この場合はいつ、どんなものを贈れば喜ばれるのか、事例と共に注意点を説明します。
お祝いを贈るのは引っ越し荷物が片付いてから
引っ越しをした後、あらかた荷物が片付いて、本人から新居のお披露目の声がかかった時に持参するのがタイミング的にもベストです。しかし、引っ越し後しばらくは大忙しな毎日を送っているはずなので、そんな状態の時にあえて時間を作ってもらって、もてなしをさせるようなことがあっては相手の迷惑になってしまいます。
そんなときには、お祝いを送ってもよいでしょう。もしくは遅くなっても直接手渡ししたいと思えば、お披露目のお声がかかった時で構いません。
しょっちゅう行き来して仲の良い間柄なら、そこまで気を使わなくても、早めに行って荷物の開梱を手伝ってあげることもできるでしょう。相手のことをよく知っていれば、どんなものを持っていてどんなものを欲しがっているか分かりますし、躊躇なく欲しいものを聞ける気軽さがあります。
遠距離に引っ越すため、今後なかなか会えないようなときは、事前に引っ越し祝いを手渡すか、新居に送るのでもよいでしょう。
ただし、この場合に気をつけたいのは引っ越しの理由です。離婚したため、火事騒ぎがあったため、近隣トラブルのため、等々、これらが理由の引っ越しには、そもそもお祝いを送るというのも妙な話ですよね。
「お祝い」なので大安を選んだほうがいいの？
「お祝い」というからには、おめでたいことだから日柄を気にして大安を選んだ方がいいのか、と考える人もいます。実際、祖父母が孫にプレゼントするランドセルや学習机の納品日を、大安の日にすることもあります。
そう言われてみれば、以前は、車の納品日や不動産の契約日も大安を選んでいました。ですから、上の世代の人たちは贈り物を送る際も日取りを気にするでしょう。
ですが、引っ越し祝いは招待された日に手渡せば問題ありません。送る際に日付指定ができるのなら大安を選べばいいでしょう。
同じ引っ越し祝いでも新築祝いなら贈り物も別格で
一口に引っ越し祝いといっても、転居先が賃貸のアパートと、自分で購入した新築の一戸建て、いわゆる「夢のマイホーム」への引っ越しとでは全く意味合いが違ったものになります。
家を買うことを決断し、苦労して手に入れたマイホームなら、新築祝いとして恥ずかしくないような物を贈りたいですね。新築祝いを兼ねる場合はそれなりの予算で臨みましょう。
ただし、むやみに高額にする必要はありません。かえって気を遣わせてしまうことになります。関係性や間柄も考慮して無理のないお祝いを贈りましょう。
仲の良いグループがあれば、一人一人で別々に用意するより、みんなで出し合って豪華なものを買うことだってできます。気の置けない間柄なら、どこどこの家電が欲しいなんてリクエストを直接聞くこともできます。
お酒が好きな人なら、普段はなかなか手が出ない高級ワインや純米大吟醸酒などを携えて訪問すると喜ばれるかも知れませんね。
新築祝いを選ぶ際の注意点
新築祝いに良かれと思って選んだ品が裏目に出る時もあります。一生懸命相手のためを思って、悩み抜いて贈った品物でも、やはりセンスや趣味が違えば妙な感じになることもあります。相手の好みを理解して選ぶようにしましょう。
生花・植物
若い夫婦の新築祝いに招かれた後輩の独身男性は、開店祝いのような生花を持参しましたが、「それだったらプリザードフラワーの方がよかったのに」と他の年上の招待客に注意されていました。
観葉植物を贈ることもあるようですが、それは人の好みが分かれるところです。昔から植物の世話が苦手で、どうしても枯らしてしまうという人も少なくありません。大きな花束も、それに見合った花瓶が無いと持て余してしまうことになりかねません。
インテリア・雑貨
新築なので何か飾れるものをと考えたあげく、アンティークの壁掛けの柱時計を贈った人もいました。結構な存在感があり趣味やインテリアにそぐわないけど、贈ってくれた人が遊びに来た時に掛けていないことが分かると気まずいので、どうしたものかと悩ませてしまうこともあります。
額装のおしゃれな絵画を贈って喜ばれることもありますが、それは相手の好みをよく知っている場合です。引っ越しをして自分好みの部屋づくりをしたいと思っているときに、趣味の違うものを贈り、ドヤ顔でその作品の説明を始めることなどないようにしましょう。
また、壁掛け時計や絵画など、壁に穴を開けて使ってもらうもの、飾ってもらうものも新築祝いとしては不向きです。
調理器具
働く主婦には、食洗機や時短でできる調理器具なども良いかもしれませんが、既に同様の物を持っていたらありがたみがありません。さらには、調理器具でも火を連想させるようなものは新築祝いには贈ってはいけません。
他に、「赤いもの」も避けます。赤い花やアロマキャンドルなどもやめましょう。これは火から火事を連想させる縁起の悪い贈り物として、昔から新築祝いには贈ってはいけないものとされています。
引っ越し祝いの一番人気は現金や商品券
引っ越し祝いとして、例えばたくさんあっても困らない、タオルやマット類、洗剤セットなどもアンケートサイトで見かける定番商品ですが、なんといっても喜ばれるのは現金か商品券が圧倒的です。
ただし、それでは贈った金額があからさまでためらわれるという人はカタログギフトを贈り、本人の気に入ったものを選んでもらうのが良いという考えの人も多いようです。
贈った相手には、カタログギフトの中からどんな商品を選んだかが後から通知が来て分かるようになっていますので、自分がお祝いに何を贈ったか分からないというようなことはありません。
他には、食べることが好きな人へは、グルメお取り寄せセットやフルーツ詰め合わせなどの選べるギフト券を送ってもよいでしょう。
まとめ
引っ越し祝いを贈るのは、後片付けが済んだ頃を見計らいましょう。新居のお披露目があればその際がベストです。遠方への引っ越しなら事前に手渡しでもいいです。年配の方なら吉日を選びましょう。
賃貸への引っ越しなら、あまり「お祝い」と騒ぐ必要もありません。お呼ばれしたときに気の利いたスイーツやお酒などの、お返し不要のちょっとしたものを持参すれば良いでしょう。
新築祝いなら特に、相手のことを考えて贈り物は慎重に選びましょう。気心知れた相手なら思い切ってリクエストを聞いてしまえば、一番の贈り物になること間違いありませんね。
