夜間の引っ越しや本人不在の引っ越しなど、「訳あり」の引っ越しをしなければならない時もあるかもしれません。
引っ越し料金は高くなってしまうんだろうか。どんな流れでやってもらえるんだろうか。そもそも普通の引っ越し業者に頼んでいいのか。
そんな悩みを抱えたあなたは必見です!
夜間にしか引っ越しできない人は?
一日で終わる量の引っ越しは、通常は朝から始めて夜までには作業が終わるように進めます。それでもどうしても夜しか時間の都合がつけられない事情があるなら、夜間の引っ越しを行っている業者を探しましょう。
夜間の引っ越し作業は日中とは違い危険だったり、近隣に迷惑がかかったりすることになります。業者としても積極的に夜間の作業は行いたくないところですが、どうしても夜間に行わなければいけない場合、どのような点に注意が必要か、見てみましょう。
夜間よりも日中の引っ越しがおすすめの理由
夜間の引っ越しは、通常行われる日中の引っ越し以上に気を付けなければならない点がたくさんあります。そのため時間さえ許せば、引っ越し業者としてもお客様に満足のいく引っ越しをしてもらいたいため、なんとか少しでも明るいうちに作業を始められないか打診します。
では、引っ越しでは、どのような点が夜間では不都合なのでしょうか。
夜はただでさえ音が響いてうるさい
一戸建て、集合住宅にかかわらず、夜はトラックのエンジン音や、ドアの開閉音、荷物を持って往復する足音さえ近隣に響くことがあります。また、作業員同士の声の掛け合いや、リーダーが指示を出す声、ダンボールを手渡す場合の「ワレモノです」などと確認する作業も騒音になります。
学校や職場から疲れて帰ってきて、せっかくの一家団欒の食事の時間や、のんびりしたい時間に外が騒がしいのでは落ち着けません。小さい子どもがいる家庭では集合住宅で部屋のすぐ脇の階段で何度も大きな音を立てられたら子どもも落ち着いて眠ることができません。
夜間に引っ越しを行うなんて随分と非常識な人だ、と入居早々思われてしまったのではたまりません。今後の近所付き合いのためにも、最初からマイナスイメージを持たれてしまうことは避けたいものです。
暗いと手元も足元もよく見えず事故が起こりやすい
暗い中の作業では例えば荷物の搬出が終わり、それぞれの室内に荷物の積み残しがないかのチェックをするのにも、真っ暗な中で懐中電灯の光を頼りに確認することになります。もしかすると大事なものの積み残しがあったとしても気がつかないかもしれません。
荷主も部屋を懐中電灯でさっと照らして全体を見渡して大丈夫ですと言ってしまうことが多いものです。
天袋の中を隅々まで見ようとしても踏み台もないし、業者を信用してよく確認せずに終わらせることがありますが、そういう手の届きにくい見にくい場所にこそ、大事な物を隠していることもあり、忘れていることも多いので注意が必要です。
加えて、暗い中での作業は足元をきちんと照らしていないとちょっとした段差で足が取られて荷物を落としてしまったり、よろけて建物の壁に傷をつけてしまったりというトラブルが起こりがちです。
外の街灯が少なく薄暗い中でトラックに荷物を運び入れる時にもダンボールの赤い「ワレモノ」の文字が見えづらく、一つひとつの確認に時間がかかってしまうことも考えられます。
朝から作業しているスタッフも、ずっと過酷な肉体労働を強いられ疲弊していることも考えられます。当然注意力がおろそかになり、体力も消耗していることから作業時の事故が起こる確率が高くなってしまいます。
夜間の割り増し料金が追加され高くなる
日中に比べ、夜間から深夜帯の料金設定は割増料金となり、2割から5割増となるところなど業者により様々です。
それどころか深夜になるまでに作業を終わらせるため、なるべく短時間で済ませられるよう作業員の増員が必要になります。作業員の人件費も夜間で人数が増えれば当然高くなり、その分の負担も大きくかかってきます。
事情を知らない人に不審者扱いされてしまう
夜遅くの引っ越しは、事情を知らない近隣の住民に「夜逃げ」と勘違いされることがあります。正義感が強いからなのか、中には警察に通報する人がいたり、あまりにも物音がうるさくて直接は言いづらいので警察官に注意してもらおうと通報してしまう人もいるようです。
突然、警官がやってきて、夜に引っ越しを行わなければいけない理由を釈明するはめになった、という笑えない話もあります。
事情により受けてもらえる
引っ越し業者のなかには、事情によっては夜間の作業を宣伝して引き受けている業者もあります。
立地により、昼間の車の通行量がとても激しい幹線道路沿いやのバス停前の住宅で日中のトラックの駐車が困難な場合などです。
どうしてもという事情があるなら周辺の住民の理解さえあれば夜間の引っ越しは可能です。
日中は仕事が休めないとか、急な転勤で異動の日ギリギリまで引き継ぎで仕事を休むわけにいかず夜しか引っ越しが出来ないなどやむを得ない場合、引っ越し前に近隣の住人に挨拶を済ませておくことと、加えて集合住宅の場合にはみんなが目にする掲示板に「何日の何時から何時ごろまで引っ越しのためご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします」というような告知をしておくべきでしょう。
荷物の搬出は夜であっても、転居先への荷物の搬入は朝から始めるという方法が可能ならそうすべきです。
転居先では最初から悪いイメージを持たれるよりもいっそのこと荷物を一旦トラックで積んで営業所に帰ってもらって、翌朝転居先へ荷物を搬入してもらえば、うるさくて迷惑と思う人は深夜帯よりはずっと少ないはずです。
とにかく、引っ越しは一生のうちに日常的に何度も経験することではありません。できれば時間の余裕のあるときに余裕を持ったスケジュールで取り組んだ方が良いです。
何とかして時間の都合がつけられないか、まずはそちらから考えてみるべきでしょう。夜間の引っ越しは、あくまでも最終手段だと思っておいてください。
本人の立ち会いなしに荷物を運んでもらえる?
このようなケースは、後でトラブルになることも多く、引っ越し業者としてはできれば避けたい事案の1つではあります。
ですが、最悪でも転居先での立ち会いをお願いしたいところですが、事前にきちんと打ち合わせし、新居のレイアウトさえきっちり決めていてくれれば、代理人の立ち会いでも可能とする業者が多いのではないでしょうか。
代理人を立て、身元確認をすることで可能
何が問題になりやすいかというと、搬出時に、旧居の設備として最初から備え付けられてあった照明や下駄箱を運んでしまったため、持ち帰って元通りに設置し直してほしい、というような場合です。
それは見積もり時に申告しなかったり、代理人にきちんと伝えていなかったために起こったミスですので引っ越し業者の責任とはなりません。
また、転居先に荷物を運び入れた際に、きちんとしたレイアウトができていないと、適当に入れるしかなく、後から使いにくいから配置し直してほしいと言われても対応できません。
このように本人が信頼のおける代理人を立てても、トラブルとなることが多いため事前に「全てを代理人に任せます。後からの変更は一切頼みません」という旨の念書を交わすことになります。
さらに代理人の身元確認を事前に行う必要があるので、引っ越し契約書の名義本人との続柄や関係、免許証などの写真付きの身元証のコピーを求められるでしょう。立ち会ってもらう人にその辺の事情を説明し、気分を害することのないように手続きについて説明しておきましょう。
引っ越し料金を払うタイミングは?
本人が不在の引っ越しでは、搬出時も搬入時も本人が立ち会えないのであれば、事前に引っ越し料金を支払う必要があります。もしくは、代理人が支払うなら、作業開始前に支払うか、荷物を全て運び出しトラックに乗せた時に支払うことになります。
家主に退去を迫られ、仕方なく家財道具一式を処分するつもりで、引っ越し業者に家の中を空っぽにしてもらってお金を払わずに逃亡というようなケースも実際にあるので、本人が立ち会えないということであれば、引っ越し業者として先に引っ越し料金を回収せざるを得ません。
まとめ
業者もリスクのある仕事はできれば受けたくないので、通常プランと異なる引っ越しは割高になる傾向があります。責任の所在を明確にするため、事前に書面を交わすケースもあるのは仕方のないことですね。
本人が立ち会えないことが事前に分かっていれば、念入りな打ち合わせが必要になります。その際にできれば代理人に立ち会ってもらえればベストです。