パソコンを買い替えた場合のHDDの引っ越し方法

パソコンを買い替えた場合のHDDの引っ越し方法

HDDとはハード・ディスク・ドライブの略で、パソコンを起動するためのOSや、アプリケーション・ソフトウェア、作成したデータなどすべてを記憶している円盤状の磁気ディスクを格納した部品です。

新たにパソコンを買い替えたら、大切なデータを移し替えるなどのHDDの引っ越し作業が必要になります。実行に移す前に、まずはひと通りの手順の流れに目を通しておいてください。

パソコンのHDDの引っ越しって何のこと?

パソコンのハードディスク内には、大切な写真や、有料でダウンロードした音楽や、時間をかけて作成したExcelファイルやWord文書などさまざまなデータが保存されています。さらに、年賀状をパソコンで作る人なら、親戚や知人のアドレス帳も住所や家族の氏名など詳しく登録しているでしょう。

他にもインターネットのお気に入りや、ダウンロードしたフリーソフト、自分が使いやすいようにカスタマイズした設定など、ハードディスク内にはOSやアプリケーション、ライブラリのデータ、各種設定ファイルなどが多数記録されています。

新しいパソコンに買い替えたら、それらの古いパソコンで使っていたもののうち、必要なアプリケーションや各種データを取り出して引っ越しさせなければ以前と同じように使えません。

そのように古いパソコンからものを取り出して、新しいパソコンに入れることを「パソコンの引っ越し」や「データ移行」と言います。と言っても、古いパソコンをドライバーで分解してHDDを取り出して、新しいパソコンに移設するわけではありません。初心者向けに分かりやすく順を追って説明します。

引っ越しした方が良いデータとは

パソコンは長い期間使い続けるうちに、自分が使いやすいようにカスタマイズして自分流に進化していくものです。新しいパソコンに買い替えると、まるっきりの初期状態、OSも違えば最初のうちは借り物を使っている気分で、以前とは程遠い状態になっています。

そこで、少しでも以前の使い勝手の良い状態に近づけるために主に下記のデータ移行をします。半導体素子メモリを擬似ディスクドライブとして使用するSSDもHDDと同様の操作方法です。

  • WindowsやmacOSの設定
  • Internet ExplorerやGoogle Chromeなどのwebブラウザに登録したお気に入りのURLと設定
  • 電子メール送受信の設定情報、アドレス帳、保存しておきたいメール
  • 各種アプリケーション・ソフトウェアの設定とデータファイル
  • IMEやATOKやGoogle日本語入力ソフトに登録したユーザー辞書
  • 写真、画像、動画、音楽、Excel、Word、スケジュールなどの自分で作成したデータや有料ダウンロードファイルなど
  • 取扱説明書のPDFや、有益な情報として保存したPDFやwebページなど

引っ越しができないデータもある

厳密に言えばデータではないのですが、OSやアプリケーション・ソフトウェアそのものは引っ越しできません。新しいパソコンへのセットアップやインストールの作業が必要になるため、引っ越しやデータ移行という作業にはあたりません。

各会員サイトのパスワードや、ネットワークの設定なども引っ越しができないため、手動で新たに入力する必要があります。ユーザー名やパスワードなどは、どれか一つを間違ってもログインできなくなってしまいます。必ずメモに残したり、プリントスクリーンや文字データで残すなどして、個人情報がもれないように管理をしっかりとしておきましょう。

実際の引っ越しの梱包前にやるべきこと

引っ越しを機に買い替えを考えているなら、新居で落ち着いてからパソコンを購入し、それからパソコンの引っ越しを行うのが理想です。新しいパソコンを何度も運搬しなくて良い分、故障などのリスクが減ります。

不測の事態に備えバックアップは必須

まずは、引っ越し先に古いパソコンを安全に運ばなければなりません。ノートパソコンなら保護のしっかりとしたパソコンバッグで自分で持ち運べれば良いのですが、デスクトップパソコンや、他に持ち物が多いときは手で運ぶのも車で運ぶのもなかなか困難です。

しっかりと梱包して運んでもらいましょう。パソコンやプリンターなどは引っ越し業者で専用の梱包資材を用意してあることもあるので、事前に梱包の準備について確認しておきましょう。バックアップがきちんとできていれば、外付けハードディスクやUSBメモリーなどだけ運べば問題ありません。

梱包する前には、必ずパソコンのバックアップを取っておかなければなりません。バックアップというのは、もし、パソコンに異常があり起動しない、大切なデータが失われた、などのときに、元の状態に復元できるよう今のパソコンの設定やデータなどを丸ごとコピーしておくことです。

パソコンは精密機器であり、HDDは消耗品のため寿命が来たりぶつけたりした衝撃などでダメになってしまうことが十分考えられます。そのため、パソコンに詳しく、一度でもデータが全部消えた恐ろしい経験をした人は、常にバックアップを多くしているかと思います。

しかし、あまりパソコンに詳しくない人は、普段からバックアップの必要性を感じないため一度もやったことがないという人も多いのではないでしょうか。

引っ越し業者ではどこでも、引っ越しの前には安全のためにパソコンデータのバックアップを推奨しています。パソコン本体の破損に対しては保険で補償してもらえても、HDDの中身のデータまでは残念ながら補償はしてもらえません。これは自分でやっておくべきことですので、これを機会に覚えてしまいましょう。

バックアップの方法

まずは、パソコン内部を丸ごとコピーするにはある程度容量の大きな記録するための器のような入れ物が必要です。それが、USBメモリーやSDカードなどの記録メディアです。昔ならフロッピーディスクやCDで足りたものが、今ではデータのサイズも大きくなりDVDでは心もとないため、○○GBの数字の大きなもののほうが何かと安心です。

できれば、外付けハードディスクを一台用意しておくと便利です。最近は2TBや3TBのものでも、低価格になっているので、今後ますます静止画や動画や音楽ファイルなどのデータサイズが肥大化することを考えると、将来的にも保存容量が大きいと長く使えてお得ですよ。

また、ポータブルタイプのHDDも出ています。外出先でスマートフォンやタブレット、モバイルパソコンの間でデータをやり取りするのにも便利です。

高速ブロードバンドの光回線などで安定したインターネット接続ができるなら、インターネット上のクラウドサービスを利用する手もありますが、重要なデータなどは漏洩の危険性が全くないとは言えず、万が一の際には消えてしまうこともあるかもしれないため、クラウドだけに頼るのもリスクがあります。

慎重を期すのであれば、外付けハードディスク、USBメモリー、クラウドストレージから、2種類以上のメディアにバックアップを取っておくと良いかもしれません。

メーカー製のパソコンにバンドルされているアプリケーション・ソフトで「データ引っ越しアプリ」や「パソコン丸ごとバックアップ」などの名称で、専用のソフトが入っているものも多いです。

上級者用に細かく設定ができるものもありますが、多くは初心者でも簡単なステップですむものがほとんどです。分からないところはメーカーサポートで手順を電話やチャットなどで教えてもらえるため、もし途中で疑問が生じて先に進めなくなってしまった場合でも、サポート体制があれば安心できます。

また、OSにある「バックアップと復元」を使っても良いですが、若干の手作業が生じます。パソコン操作や用語に慣れていれば、指示通りに行えば問題なく終わります。分からないことは公式ホームページや、webで検索して解決することができます。

さらに市販のバックアップソフトや、フリーソフトを使う方法もあります。レビューや紹介記事などを参考に、評判が良くワンクリックなど簡単な操作でできるものがおすすめです。
いざ始めると何時間もかかることもあるため、時間の余裕があるときに取り組みましょう。だいたいは、スタートしたら放っておくだけで良いものがほとんどです。

不要なアプリやデータは削除して身軽に

デスクトップ上のゴミ箱に不要なファイルを捨てても、それは単にゴミを仕分けているだけであり、パソコンからなくなったわけではありません。部屋のゴミ箱にゴミが溜まっていても、ゴミ捨て場に捨てに行かないことには家からゴミがなくならないのと一緒です。

このままでは、引っ越し先にゴミごと運んでしまうことになりますので、まずはゴミ箱の中身を確認して本当に不要なら空っぽにしておきましょう。と言いたいところですが、中には長時間かけてダウンロードしたフリーソフトウェアの圧縮ファイルがあるかもしれません。

新しいパソコンに引っ越しをしたときに、必要なファイルがもしかしてあるかもしれないことを考えると迂闊に早まってゴミ箱を空にしない方が良いことがあります。

撮影に失敗した写真データや必要のない動画ファイル、完成までに何度か名前を書き換えて保存した不要なExcelやWordなどのファイルに限った方が安心かもしれません。特に、動画ファイルは容量を圧迫してしまうため、不要なものは削除しておくと今後の作業がスムーズです。

いよいよデータ引っ越し!専用アプリがあれば簡単

バックアップが成功したら、データの引っ越しも簡単です。先に説明したバックアップは、古いパソコンに万が一のことがあったときのために、古いパソコンが以前のように使えるように丸ごと中身をコピーしたものでした。引っ越し後に古いパソコンが正常に作動するならバックアップしたコピーを元に戻す作業はいりません。

そのままで、データ引っ越しの作業を始めます。もし、運送中に何らかの不具合があり古いパソコンが正常に動作しない場合は、バックアップしたコピーを復元機能で戻しておいてください。

OSやメーカー付属のアプリなら無料で便利

ここでも、パソコンに元々入っている引っ越しソフトを使うと簡単です。チュートリアルや動画ナビなどで分かりやすく説明がされているものもあります。Macなら移行アシスタントで十分です。Windowsでも、バージョンが違ってもやることはほぼ同様なので、一度慣れておくとその後も応用がききますよ。

新旧のパソコンが2台あるなら転送ケーブルやネットワークを使ってデータを移行することができます。もちろん、外付けハードディスクやUSBメモリなどの記録メディアでも移行することができます。古い製品は転送速度が遅いものがあります。

データ引っ越し専用ソフトを起動し、画面の指示通りに進めるだけです。バックアップができたならスムーズに進められると思います。指示に従えば滅多にないとは思いますが、もし失敗してもやり直したり、他の方法でチャレンジすれば大丈夫なので、落ち着いて手順通りに進めましょう。

ソフトによっては進捗状況を示す帯で何%進んでいるかが確認できるものもあります。「完了」や「正常に終了しました」などのメッセージが出れば成功です。新しいパソコンのどこへ格納されているか、フォルダを確かめてデータを開くなどしてチェックしてみましょう。

手動で操作が必要なものもある

年賀状ソフトや家計簿ソフト、OS付属でない音楽プレーヤーソフトなどを使っていた場合は、インストールしなおす必要があります。アプリケーション・ソフト別にバックアップの方法が異なるため、各ソフトを起動して一つずつ手作業でバックアップを取り、新しいパソコンへ復元という方法でデータ移行できます。

できたと思ってもバックアップデータを削除しない

データ引っ越しソフトで成功していれば、まず問題ないことが多いのですが、OSのバージョンアップやメーカーの違いなどに伴い、どこかに若干の不具合が生じないとは言い切れません。

新しいパソコンがある程度使いこなせるようになるまでは、念のため古いパソコンをバックアップしたときのバックアップデータはすぐには削除しないで保存しておいたほうが良いですよ。使っていくうちに何かあれば、バックアップを取った時点に戻すことができ、被害を少なく抑えられます。

また、プログラムソフトの再インストール時には、個別に設定されたシリアルナンバーの入力が必要になります。以前に入力した内容と違うナンバーでは、本人と識別ができないため、再インストールもデータの復元もできなくなってしまうので気を付けましょう。シリアルナンバーは必ず控えておかなくてはいけません。

古いパソコンの処分は細心の注意を払って

パソコンの操作に不慣れで、あまり使いこなせていないと感じている人は、できることなら、古いパソコンが壊れていないならサブマシンとして残しておくことをおすすめします。まして、仕事で自宅でパソコンを使っている人は特に。

不具合が起きたときのためにすぐには処分しない

新しいパソコンの操作に慣れずに右往左往することはよくあります。遅かれ早かれ少しずつ調べながら使いこなせるようにはなっていきますが、これが仕事や学校の提出物など期限のあるものを急いでやらなければならないときは、使い慣れている古いパソコンで仕上げた方が早いこともあるものです。

新しいパソコンに慣れないために、もしおかしな操作をして復旧の仕方もよくわからないというときのためにも、古いパソコンがあればインターネットに繋いで横に置いて調べながら復旧させることもできます。納期のある仕事をしている人でも、サブマシンがあれば万一の際にでも安心できますよ。

個人情報が漏洩しないよう管理は抜かりなく

古いパソコンを処分するときは、中に残っている個人情報に十分気をつけてください。もちろん自分のものだけでなく、知人のものも全てです。個人情報である氏名、住所、電話番号や、メールアドレスなどを登録したアドレス帳や年賀状の住所録だけを消しても意味がありません。

住所を知らせたメールが残っていれば簡単に検索できてしまいますし、webブラウザの自動入力機能をONにしていれば、ブラウザのお気に入りなどで、よく利用する通販サイトから、個人のアカウントを特定してクレジットカード情報等を確認するのは容易なことです。

パソコンに組み込まれているデータ完全消去機能やソフト、初期化やリカバリを行って、工場出荷時の初期状態に戻しておきましょう。うまく消せたか確信が持てず、中のHDDを取り出して物理的に破砕しようとする人もいるようですが、肝心の記録領域の部分が壊れていないことも多いようです。

もし、心配なら信頼のおける業者にデータ消去を有料で依頼することもできます。

まとめ

パソコン用語もよく分からない、手順がイメージできない、途中でつまずいたらできる気がしない、など不安に思うのなら、最初からプロの業者にまかせる方法もあります。今は、webやSNSで宣伝して個人で安く代行をしている人もいますが、プライバシーポリシーをはっきりと掲げていて、料金設定も細かく説明がある信頼のおける業者に依頼するようにしてください。

とりあえずは、ソフトをインストールしたりダウンロードしたりして、設定して使いこなせる人なら、まずは心配いらないと思います。バックアップがうまくいっていれば、もし移行に失敗したとしても再度やり直すことができます。

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