小学校、中学校、高校の転校と転入の手続き

小学校、中学校、高校の転校と転入の手続き

転勤族で覚悟はしていても、子どもに転校を伝えなければならない時は心が痛むものです。なるべく悲しむ期間を長引かせないために、あまり早いうちから伝えたくないと思う人も多いのでは?

ただし、そんな時でも転校手続きがあるため、学校側には早めに知らせなければいけません。子どもにはまだ伝えていないことを担任に告げて、箝口令を敷いてもらいましょう。

早めに連絡を!ケースにより異なる転校手続き

年齢や、公立か私立によって手続きも入学許可までにかかる期間も異なります。編入試験が必要な学校は前もって準備して試験対策の勉強も必要になりますね。

また、新居から一番近い学校に通えるものかと思っていたら、学区の区切りや児童数の格差を均等化するために、思っていた学校と違う学校に通うことになることもあります。転出する学校にとっても転出入の人数は気がかりなので早めに知らせるようにしてください。

同じ市区町村内の公立の小中学校

同じ市区町村内の近場の引っ越しだけれど、学区が変わってしまう場合の手続きについて説明します。

1. 担任に電話で転校を伝える。

後日、対面で挨拶することになるので、この時点でアポを取って学校へ出向く必要はありません。「在学証明書」と「教科書給付証明書」を学校長の名前で作成してもらうことになります。これは新居が決まらず新住所が確定していなくても関係なく発行してもらえます。

2. 必要書類を学校から受け取る。

お願いしていた「在学証明書」と「教科書給付証明書」を受け取りに行きます。新居の新住所と連絡先の電話番号を記載したメモ、認印を持って行き、学校から借りている図書館の本や貸与されている物がないか確認して持参しましょう。

この時にお世話になった先生方に転校の挨拶ができると良いですね。

3. 引っ越し後14日以内に役所に「転居届」を出す。

役所に行く時には「在学証明書」も持参しましょう。その際に、たいていは届け出の家族構成を見て、学校の転入手続きの教育委員会か該当の窓口の場所を教えてもらえると思いますので、その足ですぐ向かいましょう。

4. 窓口で「在学証明書」を見せ、「転入学通知書」をもらう。

転入先の学校を教えてもらえます。手続きの方法も教えてもらえるので、必要に応じてメモを取り、分からないことはその場で聞いておきましょう。「在学証明書」は、学校に提出するものなので忘れずに持ち帰りましょう。

5. 転入する学校へ電話連絡をする。

学校が近いし今から手続きに、と直接そのまま出向いてしまうのはNGです。学年外の手の空いている先生や事務職員の対応になってしまうと、聞きたいことも聞けず、無駄足となる可能性が大です。

教育委員会から学校に連絡は行きますが、担任の先生が決まり、色々と準備する時間も必要ですし、授業中や職員会議の時間帯を避ける意味でも、予約なしでの訪問は避けましょう。

前もって電話連絡をして学校の都合に合わせた訪問日時の予約を取り、準備すべき事柄を聞いておきましょう。

6. 転入する学校で挨拶と転入手続きをする。

前の学校で受け取った「在学証明書」と「教科書給付証明書」、役所で受け取った「転入学通知書」を提出します。この時に、先生が子どもを観察していますので、きちんと挨拶をしたり、子どもが知りたいと思っていることを質問させるようにするといいですね。

親はたとえ「前の学校の方が良かった」と内心思っても、子どもの前で決して口に出してはいけません。「クラブ活動が盛んなんだね。どれに入りたい?」とか「校庭が広くて楽しそうな遊具がたくさんあるね」などと、期待感を持たせてあげるようにしてください。

他の市区町村の公立の小中学校

他の市区町村へ引っ越す場合の手続きの方法を説明します。基本的には、上の「同じ市区町村内の公立の小中学校」の項で説明したことと、流れは同じです。

上記の1.と2.に加え、引っ越し前の管轄の役所で「転出届」の提出が必要です。上記の3.では「転入届」を引っ越し後14日以内に提出しましょう。

公立高校

転校することが決まったら、担任の先生に連絡します。学校長の名前で「在籍証明書」、「成績証明書」または「単位修得書」、「転学照会書」を作成してもらい、後日、受け取りましょう。

高校生は、小中学生の時と違い、担任との関係性は希薄になりがちで、部活の顧問の先生の方が関わりが深い場合があります。高校まで遠ければ、在学した期間や関係性によってはお礼の挨拶は電話でも十分でしょう。

各都道府県で入学試験の方法は多岐に渡ります。引っ越しによる編入の場合も、公立とはいえ、人数の空きがなければ転校できない場合が多いです。それぞれの学校別に手続き方法や希望学科の編入試験内容が異なりますので、まずは、教育委員会に問い合わせることが先決です。

候補の高校をいくつか教えてもらえるので、学校のホームページや学力レベルなどを参考にして、ある程度絞って直接学校に問い合わせましょう。

義務教育の時とは違い、高校ともなると、自分で進学率や進路状況、部活動の様子、通学のしやすさなどを積極的に調べて動く必要があります。女の子なら制服も気になることでしょう。

ましてや、せっかく編入できたのに学力面でついていけないということがないように気を付けなければいけません。高校生とはいっても、まだまだ親の協力が必要不可欠です。積極的に情報収集したり、同行して高校見学に出向いてみたりしましょう。

私立の学校

私立や大学付属の小中高校は、それこそ同じ学校法人が経営する系列の学校でも、一校ごとに全て違っていると思った方が良いでしょう。難関私立校では編入が難しくても、そうでなければ歓迎する学校も多く、教育委員会や私学協会などで転・編入試験の実施校の情報を掲載しています。

実施状況や願書の締切日などに留意し、可能であれば複数校の受験や、同一校で複数の学科の受験ができることもあります。間違いのないように、よく調べ理解した上で、なるべく早急に受験対策しましょう。

転入に当たり準備しておくことは?

この時期は、まだまだ引っ越しの片付けが終わらず、手続きもスムーズに運ばなかったりで、色々と忙しい思いをすることになりますが、まずは、子どもを最優先に考えてください。

子どもにとって住む環境が全て変わるというのは、大人が思う以上に大きな出来事なんです。転入の準備も親が勝手に進めてしまうと、何も様子が分からない子どもは不安になります。子どもと一緒に確認しながら準備して、何も心配いらないよ、と安心させてあげましょう。

子どもと一緒に通学路の確認

車や自転車でなく、子どもと一緒に実際に歩いて行くことを強くおすすめします。

通学路を実際に歩いて、子ども目線での途中の目印や、どこが危ないか、横断歩道ではどう気を付けるのか、困った時に「こども110番の家」やコンビニなど、どこか頼れる場所があるかなどを逐一確かめながら歩いてみましょう。

あまりに情報量が多いと子どもは新天地で混乱しますので、年齢に応じてほどほどにポイントを押さえることが大切です。

子どもは行く時の道さえ分かれば、帰りも迷わずに帰れると思わない方が良いです。下校の時の道順も、寄り道をせずにしっかり教えてあげてください。友達と一緒に下校して、一人になった途端自宅が分からなくなり迷子になったりします。

登校班があれば朝はしっかりした年長の班長が付いていてくれて安心ですが、下校班では同じ学年で帰るので心配な面もあります。慣れるまでは途中までお迎えに出てあげてください。

学校指定の制服や体育着、持ち物の準備

先生や事務の職員が、準備するべき物や購入する場所、給食費の手続き方法などを教えてくれます。学校指定の制服や体操服、靴などは、サイズの調整などがあるため、転校先の学校が決まり次第、子どもと一緒になるべく早く出かけて揃えるようにしましょう。

教科の進度状況を確認して学習計画を立てる

前の学校よりも進みが早いようなら、必要に応じて家庭でも予習をしておいた方が子どものためにもなりますね。特に算数の九九や、習っていない計算の仕方などは、親が一緒に楽しみながら教えてあげてくださいね。

未知の集団生活になじめるか不安

学区年のスタートに合わせた引っ越しができればベストですが、そうそうタイミングよく異動できないことの方が多いでしょう。引っ越しを控えた子どもは神経質になっていることがしばしばあります。表面上は親に心配をかけまいと、感情を出せずに我慢しているかもしれません。

仲の良い友達と別れるのが悲しいこともありますが、転校した学校で、仲の良い子たちの輪の中に一人で飛び込む勇気がなく、そっちが心配で沈んでしまう子もいます。

方言が分からなかったり、常識と思っていたものが覆されたり、長距離の引っ越しではカルチャーショックを受ける子も多いようです。学校で必要以上に頑張り過ぎて疲れる子もいますので、家庭では寛げて何でも相談しやすい雰囲気作りをしてあげましょう。

まとめ

子どものためにも、学校関係の手続きは早めに取り掛かることが鉄則です。

転校を控えた時期の子どもは精神的に不安定になりがちなので、小さい子は赤ちゃん返りしたり普段とは違う様子を見せたりして、多々親が驚かされることもあるかもしれませんが、温かく見守って何があっても味方であることを伝えてあげましょう。たいていは後になって笑い話になります。

転校はマイナス面ばかりではなく、あちこちに友達が増えたり、未知の環境を知り視野が広がるプラス面もたくさんあります。転勤族の子どもは総じて世渡り上手で順応性が高い、ちょっとのことではへこたれない子が多いんです。

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