引っ越しをする時、個人情報の流出に対して気を使っていますか?ずさんな管理をしていると、個人情報を悪用されて思わぬ犯罪に巻き込まれたり、迷惑メールや嫌がらせなどの迷惑行為を被ってしまったりするかもしれません。
そんなことにならないように、どのようなところから個人情報が洩れてしまう可能性があるのかを知っておきましょう。
事例を知っておこう!
個人情報の流出方法には、いろいろなものがあります。どのような経路で流出があるかを知っておけば、対策を考えられるでしょう。実際に起こった事例や未遂に終わった事例、また、それらへの対策を紹介します。
事例1. ダンボールの使いまわし
経費削減のため、中古のダンボールを使いまわして使用している業者もありますが、なかにはこんな事例もあります。問題があったのは、ある女性が宅配便で荷物を配送してもらうために使用していたダンボールを回収したものでした。
業者は回収後、そのまま個人情報系の確認をせずに次の人に渡したそうです。しかしそのダンボールには、女性が配送手続きのために使用した伝票が張ったままになっていました。そのため、再使用するダンボールを受け取った次の人は、意図せず女性の新居や旧居の住所や名前、電話番号などの個人情報を手に入れてしまった、という話です。
その個人情報は幸い悪用されず、インターネット上で「こんなことがあって不用心だと思った」と投稿する程度だったようですが、もし変な人に情報が回ってしまっていたらと思うと、怖いですよね。
ダンボールを処分するときには、古紙回収業者にお願いしたり、引っ越し業者に回収を依頼したり、ゴミの日に捨てたり、などといろいろな方法がありますが、自分の手元を離れた後は、どのようなことになるかわかりません。
この場合は、元の使用者であった女性が伝票をはがすなどの対策をしていれば、防げたはずです。ちょっとしたひと手間を惜しまず、用心には用心を重ねて自衛しましょう。
事例2. メールアドレスは売れる!
登録した覚えのないところからメールが届いて困った…なんてことを経験したことはありませんか?そのメールアドレスは、引っ越しの見積もりをするなど情報を集めようとしているときに、流出してしまったかもしれません。
「どこどこに住んでいる人のうち、ここ半年以内に引っ越しをした人」というように、ある一定の条件を満たす人のメールアドレスを大量に集めると、高額で買い取ってもらえる場合があります。実際に、個人情報の取り扱いがずさんなサイトなどでメールアドレスを使用してしまい、迷惑メールが大量に来るようになったという人もいます。
問い合わせはしたいけれど、迷惑メールのためにアドレス変更などの手間は増やしたくないという人がほとんどでしょう。個人情報に関するガイドラインが設けられていないようなところに問い合わせのメールを送るときは、無料で作成、使用ができるメールアドレスを用意して、そちらで連絡をとるのがおすすめです。そうすると、このような事例を防げるでしょう。
使用し終わったメールアドレスは登録を削除してしまえば、迷惑メールに悩まされることなく、すっきりと情報収集を終えることができます。
事例3. 知り合いのフリをして…
引っ越し業者に親戚などのフリをして問い合わせ、個人情報を聞き出す手口もあります。実際に、引っ越し作業中に依頼主の知り合いのフリをして作業員に声をかけ、引っ越し先を聞き出そうとした、という事例もあります。
幸いこの作業員は個人情報の取り扱いに対して気を使っていたため、情報を流出させることはありませんでしたが、うっかりしゃべってしまうことが絶対にないとは言い切れません。
ストーカー被害などのために引っ越しをする場合は、特に気をつけたいですね。心配な場合は見積もり時に営業マンに念押しし、当日も作業員にあいさつするときに改めて個人情報の取り扱いに気をつけてもらうよう、お願いしておくのが良いでしょう。
個人情報の保護のために意識しよう!
引っ越し業者でも、個人情報の取り扱いについての研修をしたり、個人情報の流出事故があったら共有して注意を促したりと気をつけています。しかし小規模の業者では、その研修などにあまり時間を割けない場合もあります。
絶対に個人情報を漏らしたくない場合は、会社のホームページに個人情報保護に対する取り組みについて記載している業者を選ぶなど、自身でも意識して取り組みましょう。また、以下のようなところから思いがけず個人情報が漏れてしまう場合もあるので、十分注意して行動することが大切です。
アンケート
安易に住所などを書いていると、そこから個人情報が流出してしまう可能性があります。そもそもアンケートは、営業をかけるために行って情報を集めているのがほとんどなので、そこに個人情報を書くとどんどん流出してしまいます。
言われるままに書いたり、問われるままに答えたりするのではなく、本当に個人情報を提供してもいいのかを、一度立ち止まって考えるようにしましょう。
外注オプション
引っ越し業者に頼むエアコンやウォシュレットの工事をはじめとしたオプションサービスは、業者内部の人間が工事しているのはごくまれで、ほとんどが外注です。そのため、いくら個人情報保護の取り組みがしっかりしている業者に依頼をしていても、外注先の業者の方から漏れてしまうこともあります。
心配であれば、オプションサービスを頼むときは、個人情報の取り扱いをどのようにしているかを聞いてから依頼するのが良いでしょう。
見積書の処分
一番気をつけたいのが、見積書の処分です。使い終わったからと言ってそのまま捨てると、そこから流出する可能性もあります。ゴミ箱に捨てる前に、シュレッダーにかけるなどの対策を講じましょう。ゴミ袋から透けて見えてしまうことはもちろん、カラスなどのいたずらによってゴミ袋の中身が散乱し、個人情報が野ざらしになってしまうこともあります
流出ではないが、気をつけたいこと
引っ越し業者の訪問見積もりの前に、概算見積もりをお願いすることもありますが、その時には大体の住所のみを伝え、細かいところまでは明かさないようにしましょう。その業者に訪問見積もりや実際の作業を頼まなかった場合に、しつこい営業をかけられた、という事例もあります。
個人情報の流出は気にし始めたらキリがないですが、きちんと対策を講じることによって防げます。自分でできる対策はしっかりしたうえで、引っ越し業者に念押しをしておけば、引っ越し時の個人情報の流出は、ほとんど防げるでしょう。明るい新生活に影が差さないように、下準備をしっかりしておきましょう。