入居後すぐに退去した場合は敷金は戻ってくる?

入居後すぐに退去した場合は敷金は戻ってくる?

せっかく入居したのに、すぐに退去することなんてあるの?と思う人は多いかもしれません。でも、さまざまな事情により、自分がそんな場面に直面する場合もあります。そんな時に気になるのは、初期費用として払っている敷金が返ってくるのかどうかでしょう。今回は、そんな早期退去の場合の敷金の考え方についてまとめました。

早期に退去!いろんな理由

まず、契約したばかりの賃貸を早期に退去した人たちには、どのような理由があるのかを見てみましょう。大家や不動産業者のミスのせいで退去する人もあれば、自分の好みの問題で退去する人もいるなど、理由はさまざまです。

そんなの聞いていない!聞いていた話と違う

不可抗力で退去を考える人のなかには、実際に住み始めてみたら、大家や不動産業者から聞いていた話と違ったり、重要な話を聞かされていなかったりということが原因で、出ていかざるを得なくなったという人がいます。

こうした事態は、例えば遠方への引っ越しなどにより、内見ができない状態で部屋探しをしていて、部屋の状態だけを聞いて決めた場合に起こります。実際に住み始めてみたら、下にスナックなどが入っているが故に夜に騒音がして眠れなかったり、「防音性ばっちりです!」と言われていたのに、上下左右の住民の生活音が響いて悩まされたりということがあります。

思っていたのと違う

部屋自体は申し分なくても、周辺の環境によって引っ越しを余儀なくされる場合もあります。特に女性が気をつけなければならないのは、隣に変な人が住んでいて不必要に絡まれたり、周辺の地域に街灯が少なくて夜道が危険だったりといった、不審者系の問題です。

引っ越したばかりだからと言って、なあなあにして過ごしていると、大変なことになる可能性もあります。身の危険を感じたら、すぐにでも引っ越すという人が少なからずいます。

もっと良い部屋が見つかった

意外と多いのが、「もっと良い部屋が見つかったから」という理由です。最近は、引っ越しが終わっても、引き続き部屋探しをする人がいます。そのような人たちには、今住み始めた部屋よりもっと良いところが空いたら住もう、という考えがあります。

この背景には、「敷金礼金ゼロゼロ物件」の増加によって、引っ越しにおける初期費用というハードルが下がり、気軽に引っ越しできる人が増えたことが挙げられます。

敷金が返ってくるかどうかは、契約書次第!

理由はいろいろありますが、実際に短期間で退去の申し出をした場合、敷金はしっかり返ってくるのでしょうか?

それは、入居時にどのような契約を交わしているかによります。退去を検討している人は、一度契約書を引っ張り出してきて、目を通してみてください。特約で何も触れられていなければ、原状回復費用の請求がない限り、戻ってくるのが一般的です。

こんなものが請求されるかも?特約に注意

ただし、特約に早期退去について定められた項目があれば、その内容の金額は請求されるので注意しましょう。特約があった場合は、返ってくる敷金よりも、請求される金額の方が大きくなることが多いです。逆に追加の出費になる可能性が高いと考えておいた方が、良いかもしれません。

短期解約違約金

通常、契約期間というものは、借主側が大家側の都合で部屋を出ていくことを要求され、路頭に迷ってしまうことを防ぐためのものです。そのため基本的には、いつ退去しようと、連絡さえ既定の日より前にしておけば、違約金をとられることはありません。

しかし、特約に「一年以内に退去した場合は、違約金として●●万円いただきます」「契約期間内の退去の場合は、家賃●ケ月分いただきます」などの記載がある場合は、それに従ってお金を支払う必要があります。実際に過去に判例もあるので、これを覆すのはなかなか難しいでしょう。

入居前から、「もしかしたら短期に引っ越しをくり返すかも」と思っている人は、短期解約違約金の定めのない物件を探して契約するのがおすすめです。

家賃

「退去をする場合、●日前までにご連絡をお願いいたします」などと定められている期間より前に連絡をしていれば必要のない場合もありますが、通常は1~2ヶ月先までの家賃が求められます。
空室状態が出てしまうと、その間、大家は家賃収入がなくなってしまうため、仕方ない出費と言えるでしょう。

ルームクリーニング

退去するときにルームクリーニング代を一律で徴収している場合は、短期間で退去する場合も例外なく徴収されます。あまりに高額の場合は交渉しても良いですが、特約に記載がある場合はあまり期待できません。

原状回復費用

長年住んだ後の原状回復費用であれば、減価償却が適応され、少々抑えた金額にしてもらえますが、短期で引っ越しをする場合はこれが適用されません。そのため、どこかに汚損や破損があった場合は、全額かそれに近い金額が請求されます。レンジフードの油汚れなどでも請求される場合があるので、退去前の掃除はしっかり行っておくことが大切です。

その他

その他にも、特約に記載があるものについては支払い義務があります。契約時に説明されるはずですが、不動産業者がさらっと流して終わっている可能性があるので、サインをする前にしっかり自分の目でも読み込んでおくことが重要です。あまりに納得できない金銭を要求された場合は、交渉したり、無料の弁護士相談や借地借家人組合などを利用したりしてみましょう。

新居への引っ越しは、新しい生活の幕開けです。しかし、出鼻をくじかれてしまうことも、ないとは言えません。そんな時に焦らずに損をしない対応ができるよう、かかる費用についてしっかり把握しておきましょう。いざという時の相談先を確保しておくことも重要です。

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